「顎がいつもだるくて痛むのですが、ボトックスを打てばよくなりますか?」
顎関節の痛みに対する治療を調べていると、ボトックス注射を目にすることがあります。エラボトックスと同じ治療なのか、気になる方もいらっしゃるでしょう。
こんにちは。蚕室(チャムシル)の延世ゴンホ歯科です。
顎関節ボトックスは、咀嚼筋の活動を一時的に弱める注射治療です。一部の筋肉由来の痛みに対する効果が研究されていますが、すべての顎関節痛に有効というわけではありません。
今回は、作用の仕組みや適応となる症状、副作用、ほかの治療法との違いについてご説明します。
1. 顎関節ボトックスはどのような仕組みで痛みに作用しますか?
顎関節ボトックスは、ボツリヌストキシンを使用して、顎を動かす筋肉の収縮を一時的に弱める方法です。
顎の周囲には、食べ物を噛む際に働く咬筋や側頭筋などの咀嚼筋があります。ボトックスは神経から筋肉への信号伝達を抑制し、筋肉の活動を減少させます。
エラボトックスと同じ成分を使用することがありますが、美容目的の治療と痛みの治療では目的が異なります。

一部の研究では、筋肉由来の顎関節痛が軽減する可能性が報告されています。一方、従来の治療やプラセボと比較して明確な効果が確認できなかった研究もあります。
筋力が弱まることが、必ずしも痛みの改善につながるわけではありません。
2. 顎関節ボトックスはどのような症状で検討できますか?
顎関節ボトックスは、咀嚼筋の痛みが主な問題となっている一部のケースで、慎重に検討することがあります。
顎関節の痛みは筋肉から生じることもあれば、関節そのものの問題から生じることもあります。
| 症状 | 確認するポイント |
|---|---|
| 噛むと顎の筋肉が痛む | 咀嚼筋の痛みの有無 |
| 耳の前にある関節が痛む | 関節そのものの状態 |
| 口を開けると引っかかる感じがする | 顎関節の動きと開口制限 |
| 歯ぎしり・食いしばり | 筋肉活動と痛みの関係 |
ボトックスによって咀嚼筋の力を弱めることはできますが、歯ぎしりという行動自体をなくすものではありません。
私は、注射治療を決める前に、痛みが筋肉から生じているのか、関節から生じているのかを区別することが重要だと考えています。

3. 顎関節ボトックスにはどのような副作用があり、何に注意すべきですか?
顎関節ボトックスでは、噛む力の低下、筋力低下・筋萎縮、注射部位の痛みや内出血などの副作用が起こる可能性があります。
繰り返し注射することに関連して、顎の筋肉や周囲の骨に変化が生じる可能性も研究で指摘されています。まれに嚥下困難や呼吸障害などの重篤な副作用が生じることもあります。
そのため、決まった周期で無条件に注射を繰り返すのではなく、以前の治療に対する反応や副作用の可能性を併せて評価する必要があります。

4. 顎関節ボトックス・スプリント・理学療法では、どの治療を先に検討すべきですか?
顎関節症では、一般的に生活習慣の改善や運動療法・理学療法など、非侵襲的な治療から検討します。
| 治療方法 | 主な役割 |
|---|---|
| 生活習慣の改善 | 食いしばりなど顎に負担をかける習慣の調整 |
| 理学療法・運動療法 | 顎の動きと筋肉機能の管理 |
| スプリント | 状態に応じた口腔内装置による治療 |
| ボトックス | 咀嚼筋の活動を一時的に抑える |

実は私自身も顎関節の状態がよくないため、個人の治療計画に従って定期的にPDRN注射を受けています。
ただし、私が受けている治療が、ほかの患者さんにも適しているという意味ではありません。PDRNとボトックスは異なる治療であり、医学的根拠も分けて評価する必要があります。
ほかの注射治療について知りたい方は、**「顎関節のPDRN注射とは?治療の仕組みと知っておきたい注意点」**をご参照ください。
スプリントについては、**「顎関節スプリント治療、どのような場合に必要?」**で詳しく解説しています。
顎関節ボトックスは筋肉の活動を弱める方法ですが、すべての顎関節痛に有効な治療ではありません。
どの注射を受けるかよりも、まず痛みの原因を把握し、状態に合った治療を選ぶことが重要です。
蚕室(チャムシル)の延世ゴンホ歯科、口腔顎顔面外科専門医のパク・ジホでした。